画像走ができるまでログインなしで遊べる「ネットおもちゃ」をつくる
BAF STUDIO の最初のアプリ「画像走(がぞうそう)」は、好きな画像を1枚選ぶと、その色が64人の選手になって対戦するブラウザゲームです。このノートでは、企画のはじまりから、遊びの形が固まるまでに決めたことをまとめます。
出発点は「説明しなくても遊べるもの」
最初に考えたのは、アプリをインストールしたり会員登録したりしなくても、リンクを開いた瞬間に遊べるものを作ることでした。SNS で流れてきたリンクを押して、その場で数十秒遊んで、結果をだれかに見せたくなる。そういう、いわゆる「ネットおもちゃ」です。
この種の遊びが広がるかどうかは、最初の数秒で決まります。説明を読ませる前に、画面の中で何かが動き出す必要があります。そこで「自分のもの」をそのまま遊びの材料にできないかと考えました。いちばん身近な自分のものが、スマホの中の写真です。
写真1枚を、64人のチームにする
写真を 8×8 のマスに分けると、64個の色が取り出せます。この1色1色を選手にすれば、写真がそのままチームになります。夕焼けの写真なら赤や橙の多いチームに、海の写真なら青や水色の多いチームになります。同じ写真からは必ず同じチームが生まれるので、「この写真は強いのか」を試したくなります。
選手の性能も、色そのものから決めました。鮮やかな色ほど足が速く、暗い色ほど攻撃が強く、明るい色ほど打たれ強い。色を12の系統に分けて、それぞれに火の玉や盾などのスキルを持たせています。色の分け方は「写真の色を12の系統に分ける」で紹介しています。
足したもの
- 画像がだんだんドットになる演出:選んだ画像が少しずつ粗いドットに変わり、最後に64マスになります。「自分の写真がチームになった」ことが一目で伝わるようにしました。
- 挑戦状:レースのあとに、自分のチームの色だけが入ったリンクを作れます。受け取った人は自分の画像を選ぶだけで対戦できます。友だち同士で回してもらうための仕組みです。
- おまかせのライバル:手元に画像がなくても遊べるように、「夕焼け」「深海」などのおまかせのチームと、押すたびに色が変わる「ランダム」を用意しました。
- 決着の演出:斜めの帯が走り込み、文字が1字ずつ着地し、勝ったチームの色のドットがはじけます。結果の画面は、そのまま人に見せたくなる見た目を目指しました。
削ったもの
足すことと同じくらい、何を入れないかを決めることが大事でした。
- チーム名:最初はチーム名を入力する欄がありましたが、なくしました。入力欄があると手が止まりますし、他人に見せるリンクに自由な文字が入ると、困った使われ方をするおそれもあります。表示は「あなた」「ライバル」「挑戦者」だけにしています。
- SNS のアイコンから選手を作る機能:X(旧 Twitter)などの ID を入れるとアイコン画像を取ってくる案もありました。ただ、そのためのしくみ(API)は有料で、規約の上でもはっきりしない部分があるため、見送りました。
- 接戦を演出する仕掛け:負けているチームを少しだけ速くする「追い風」のような仕掛けも検討しましたが、入れていません。圧勝も大差の負けもそのまま起こります。そのかわり、同じ2チームなら必ず同じ結果になるようにして、「画像を選び直す」ことが作戦になるようにしました。
勝ち方は「全員ゴール」
先頭の1人がゴールした時点で勝ち、という決め方も試しました。しかしそれだと、足の速い1色を持つチームが有利すぎて、64人で走る意味が薄れます。そこで、先に64人全員がゴールしたチームの勝ちにしました。最後の1人まで勝負が分からず、遅い選手を守る白の「盾」や桃の「応援」にも出番が生まれます。
名前のこと
開発中の名前は「いろレース」でした。公開の準備をする中で、「画像が走る」ことがひと目で伝わる「画像走(がぞうそう)」に変えました。漢字3文字で短く、検索でも見つけやすい名前です。
これから
画像走は、画面の中ですべてが完結する小さなゲームです。サーバーにほとんど頼らない作りにしたことで、たくさんの人が遊んでも費用が増えにくくなっています(「維持費をほぼ0円にする公開のしかた」)。実際に遊んでもらいながら、選手の大きさやレースの長さ、ボタンの位置などを調整していく予定です。
画像走の遊び方とスキルの一覧もあわせてご覧ください。